福島聖也がフェザー優勝&オープンで準優勝“愚直な強さ”と無差別挑戦の裏側──ヨーロピアンへ繋がった「流れ」をつかんだ一日
福島聖也がフェザー優勝&オープンで準優勝“愚直な強さ”と無差別挑戦の裏側──ヨーロピアンへ繋がった「流れ」をつかんだ一日
IBJJF EAST JAPAN

初開催となったIBJJF主催の「EAST JAPAN」で、アダルト黒帯のフェザー級での優勝から、その勢いのまま無差別級へ挑戦し、見事に準優勝を果たした福島聖也(CARPE DIEM ASHIYA)。
この入賞でポイント的に出場を諦めかけていたIBJJFヨーロピアンへの道を切り開いた福島に、今回の階級選択の理由、強豪との対戦で得た手応え、チームの強さ、そして2カ月後へ向けた決意を聞いた。
勝敗だけでは語れない“愚直な強さ”の背景が、率直な言葉で語られた。
―― IBJJF EAST JAPANの優勝おめでとうございます。まずはフェザー級での出場意図から教えてください。
福島:頑張って落とせばフェザーまでいけるんですけど、連戦が続くと代謝が落ちて体重が落ちにくくなるんです。なのでライト級を挟みつつ、IBJJFのポイントも必要だったので、今回は気合を入れてフェザーまで落としました。
―― 1回戦はいきなりJBJJF全日本王者の鈴木和宏選手でした。どんな手応えでしたか?
福島:アドバンテージを守る展開で、正直つまらない試合でした。でも格上だと思っていたので、うまく戦えなくても勝ちに徹しました。最近柔術は上達している感覚がありますが、その“うまさ”を試合に出すと、相手の“うまさ”とぶつかってアドバンやレフ判で負けることが過去にあって。岩崎さんとも相談して、「前の愚直なスタイルに戻した方がいい」と言われ、今回は気持ちを前面に出して戦いました。
―― 準決勝・決勝では外国人選手との対戦でした。決勝の韓国選手に勝ち切った感想は?
福島:決勝の相手は実績もあって強い選手に勝っているのを知っていましたし、マレーシアでも一緒でした。人柄もよく、強いのは十分わかっていたので、とにかく自分の強いところをぶつけ、相手の良さを出させないように徹底しました。

フェザー1回戦では鈴木和宏から1アドバンテージ差で辛勝で初戦を突破。

決勝戦は強豪韓国人を相手に2回のパスガードを決めて完勝している。
―― フェザーでの優勝後、無差別にも参戦しました。減量した状態での無差別は相当厳しかったと思いますが?
福島:超きつかったです(苦笑)。でもフェザー優勝で27点入って、持ち点が36点になるんですよね。ヨーロピアンに出るには40点が必要で、無差別3位なら4.5点入る。だから“出るしかない”状況でした。気持ちは出たくなかったんですけど、(PATO STUDIOの)中村大輔さんが「絶対出ろ」と(笑)。表彰台に乗らなくても「黒帯なら出ろ」と言われて、出ざるを得ないんです。大輔さん自身フェザーでヨーロピアン無差別優勝もしているので、黙らされちゃうんですよ。
―― 無差別では、ウルトラヘビーの田中大成選手、ヘビーのニック・グリーン選手を連破してます。勝機はどこにありましたか?
福島:田中選手とは過去に対戦しているので、お互いに手の内が分かっていて、自分が嫌なことをし続ける展開に。普段使わないXっぽい形からスタンドバックまで行けて、それが差になりました。準決勝の相手はとにかく力が強かったですが、一瞬組み手が上回れたタイミングで袖車が刺さりました。セオリーから外れる技なので、想定外になったんだと思います。
―― 決勝のシャビエルル・シウバ戦は一本負けでした。戦ってみてどうでしたか?
福島:気持ちは切れてなかったんですが、組んだ瞬間に“全然違う”と感じました。組ませない動きや足払いの力も桁違いで、大人と子供くらいの差を感じました。フィジカルもテクニックも全部に差があって、今日初めて触った感触で気持ちが少し折れたところはあります。めちゃくちゃ強かったです。

オープンクラス1回戦はウルトラヘビーの田中大成(CARPE DIEM JIYUGAOKA)から2-0で勝利。

準決勝はヘビーのニック・グリーンからエゼキエルで一本勝ちも、決勝戦ではシャビエル・シウバの絞めで一本負けとなったが堂々の準優勝といえるだろう
―― 色帯では田中美佳選手、木村鯉斗選手も優勝してます。CARPE DIEM ASHIYAのチームとしての強さ秘密はありますか?
福島:うちは王道というより“癖のある戦い方”の選手が多いんですけど、それをIBJJFルールで有利になるように作り込んでくれる。岩崎さんは“順当に足が効くタイプではない選手”を伸ばすのが本当にうまいと思います。会員さんもマスターの試合で活躍していて、育成力のあるチームだと感じています。
―― IBJJFヨーロピアンまであと2カ月です。どんな準備をしていきますか?
福島:ポイントが足りず出場できないと思っていたので、お正月はゆっくりして代謝を戻す計画を立てていました。でも今日の結果で“流れ来たな”と思いました。楽しいお正月の予定も吹っ飛びましたが(笑)、ヨーロピアンの方が大事なんで頑張ります。大会も1月後半の開催なので、それまで体重調整をしながら、得意を伸ばし、リスクの高い部分を減らしていきたいです。この流れを無駄にしないように頑張ります。応援よろしくお願いします。

田中美佳は女子アダルト茶帯ルースターのワンマッチ決勝戦を2-0で勝利して優勝。

木村鯉斗はアダルト紫帯フェザーのトーナメントを制しており、黒帯で福島、茶帯で田中、紫帯で木村と3人の優勝者を輩出しており、CARPE DIEM ASHIYAのチームとしての強さも大いにアピールしている。
