ゆでたまご嶋田隆司先生「一人の柔術家として金メダルを獲りたい」
ゆでたまご嶋田隆司先生「一人の柔術家として金メダルを獲りたい」
Interview

6月に宮城県武道館で開催されたASJJF「東北選手権2025」ならびに、7月に横浜武道館で行われたJBJJF「修斗杯2025」に、人気漫画『キン肉マン』の原作者・嶋田隆司先生が出場した。
ご存知の通り、嶋田先生はトライフォース高円寺で練習に励む、64歳の柔術家だ。
2025年の『キン肉マン』は、テレビアニメ(完璧超人始祖編)Season2が放送されたばかりか、本編の連載が7月28日の更新で500話に到達するなど、相変わらずの人気を誇る。
多忙な日々を送る嶋田先生だが、柔術に本格的に取り組み始めたのは、60歳を過ぎてから。膝の手術や、約2年にわたる壮絶なリハビリを乗り越え、今年から試合にも積極的にチャレンジしているのだ。
しかし、61歳以上の白帯カテゴリーになると、なかなか試合が成立しない。
前述した「東北選手権」では、年齢を56歳以上のカテゴリに変えたほか、階級も上げており、「修斗杯」でも、マスター6のミドル級に出場している(嶋田先生はマスター7で体重は75キロ前後)。
嶋田先生は、なぜそこまでして戦うのか――。その背景にある想いを訊くことができた。
――嶋田先生!ご無沙汰してます。6~7月で2大会に出場されましたね。お疲れ様でした。
嶋田:はい。6月はじめにASJJF「東北選手権2025」、7月にJBJJF「修斗杯2025」に出場しました。
――ASJJF「東北選手権2025」は仙台での大会でしたが、出場した経緯はどのようなものだったのでしょうか?
嶋田:私のカテゴリーだと、なかなか都心では対戦相手がいなくて、色々調べてみたら、仙台の大会で、カテゴリーに近い相手がいるということで遠征しました。
――階級別と無差別級、2試合に出場されましたね。
嶋田:はい、同じ対戦相手の方でした。両方とも負けました。
――試合の感想はどうでしたか?
嶋田:やっぱり、色々作戦練ったんですが、非常にタックルがうまい方で対策できませんでした。とても強かったです。
――今回、初めての遠征はどうでしたか?
嶋田:仙台に前日入りして、街を楽しもうと思ったんですが、当日大雨で外に出れなかったです(笑)。でも娘と旅行できて楽しかったですね。
――ASJJFの大会は初めての参加でしたね。
嶋田:はい、JBJJFより外国人の参加が多い印象でした。盛り上がってましたね。また参加したいと思いました。
――そして、7月にはJBJJF「修斗杯」に出場しましたね。
嶋田:道場のインストラクターたちに、マスター7でエントリーができると聞いてエントリーしたのですが、やはり対戦相手がいなくて(苦笑)
――マスター6白帯ミドル級での出場でしたね。
嶋田:これも経験だと思って出場しました。
――私も現地で見ていましたが、ポイント負けでした。ただ、チャンスもあったし、惜しかったです。
嶋田:仙台の時よりは落ち着いて戦えました。でもやるべきことをできなかったので負けてしまいましたね。
――大会の雰囲気はどうでした?
嶋田:仙台の時とは違って、トライフォース高円寺の仲間や、宇野(薫)くんとかも応援に来てくれて嬉しかったです。
――次は、9月のSJJIF「ワールド2025」にエントリーしておりますが、目標は?
嶋田:昨年、高田延彦さんが出場して、僕もかなり刺激を受けました。60代でアームロックで一本取ってて凄かったです。僕も高田選手みたいに勝ちたいです。
――しかし、64歳でこんなに大会に参加するモチベーションは一体なんなのでしょうか?
嶋田:漫画の世界でもそうなんですけど、元々負けず嫌いの性格なんです。自分でも闘争心があると思います。
――嶋田先生は競争が好きなんですね。
嶋田:はい。あと「キン肉マン」は相棒の中井(義則)くんと作った作品なんで、何か一人で成し遂げてみたいと思ってます。
――それは素晴らしいと思います。社会に影響を与えるような作品を生み出してなお、そのように感じるのですね。
嶋田:嶋田隆司という、一人の柔術家として金メダルを獲りたいです。
――ありがとうございました。9月期待してます!