Jiu Jitsu NERD|ブラジリアン柔術・グラップリング専門メディア
Jiu Jitsu NERD|ブラジリアン柔術・グラップリング専門メディア
Brazilian Jiu Jitsu / Grappling
Jiu Jitsu NERD|ブラジリアン柔術・グラップリング専門メディア
Jiu Jitsu NERD|ブラジリアン柔術・グラップリング専門メディア
Brazilian Jiu Jitsu / Grappling
Jiu Jitsu NERD|ブラジリアン柔術・グラップリング専門メディア

港区高輪にレスリング新拠点「COMBAT LABEL TOKYO RTC」9/27オープン

· Review - Dojo Gym
Section image

Jiu Jitsu NERDの読者には「なぜトップ柔術家はレスリングをするのか――」のインタビューでもお馴染み、スポーツ科学者&レスリングコーチの清水聖志人氏が代表を務めるCOMBAT LABELが、米・NIKE WRESTLINGと共同で、港区高輪に新トレーニング拠点「TOKYO RTC」を開設する。

これまで、橋本知之、大柳敬人、平田孝士朗といったトップ柔術家たちが通っていることでも知られる大田区のレスリングクラブが、高輪に場所を移し、新たなコンセプトでリニューアルオープンするといえばわかりやすいだろう。

今後の活動の軸を「トップアスリートの強化拠点」や「キッズ世代からの育成システム」、「女性アスリートの環境整備」と語る清水氏。

新拠点には、これまでと変わらず柔術家やMMAファイターらもたくさん通うことになりそうだが、新たなコンセプトのもと、今後は女性選手やキッズ柔術家の参加も増え、彼ら彼女らの競技力向上にも繋がりそうだ。

柔術家にも必見の新拠点について、話を聞くことができた。

――この度は、9月27日より港区高輪に「COMBAT LABEL TOKYO RTC」をオープンされるということで、おめでとうございます。まず、この施設はどのような施設になるのでしょうか?

清水:レスリングの強化と育成の場所ですね。中学生から高校に進学しても、うちでレスリングを続けたいという子たちがいますので、一貫したコーチングの仕組みを作りたいというのがあります。

それに加えて、発展的には柔術やグラップリングにも展開できればと思っていますし、全然違う切り口でも展開したいと考えています。

――もともと「スポーツデザインラボ」として大田区にクラブを構えていましたが、それを今回、高輪に場所を移した理由はなんでしょうか?

清水:理由は2つあります。ひとつは、海外から選手が来やすい場所にしたかったからですね。

今も中村(未優)を中心に昼間から国内外のトップアスリートが集まって練習していますが、高輪エリアはホテルも多いですし、国際的な拠点になりやすい。ナイキレスリングの契約アスリートが来日したときも練習しやすいですし。日本はレスリングが一番強いので、海外からトップ選手が来てくれるんです。

――なるほど。それはレスリングの練習環境が格段に向上しますね。

清水:もうひとつは、やはりカルペディエムさんのモデルです。青山や広尾、自由が丘といったブランドエリアに道場を構えたことはカルペディエムブランドを確立するうえで大きな成功要因であったと思います。

レスリングは、ボランティアに支えられているのですが、ボランティア依存では継続性と発展性がありません。レスリングの価値を高めていくために高輪エリアを最初のRTCの設置場所として選びました。

――カルペディエムが柔術界でやってきたことを、レスリング界で作るというイメージですかね。

清水:今、うちの中にいる中高生や大学は、将来性豊かなタレントが集まっているので、そういうところで勝負するにはいいタイミングかなと思いました。

TOKYO RTCは、アメリカで成功している「地域トレーニングセンター」をコンセプトにしています。日本では、国の方針で部活の地域移行が進められています。学校からスポーツが切り離される中で、とくに中学生の活動の場が不安定になっています。

逆に言うと、レスリングはむしろチャンスで、もともと中学生は、部活の中で行う競技ではないので、TOKYO RTCのなかでキッズ(競技開始)からトップアスリートまでの一貫プログラムを確立したいと考えています。このモデルを確立することで、競技引退後の職域の拡大にも繋がたいです。

――その一方で、柔術家やMMAファイターで、レスリングを取り入れたい選手も含め、大人になってからレスリングを始めるには少しハードルが高いと感じてしまいますよね。

清水:水曜と土曜のプログラムは「オールレベル・オールエイジ」にして、年代も子どもから大人まで。柔術やMMAが専門の方も一緒に参加しやすいようにしています。

――それはレスリングを取り入れたい柔術家たちにとっても嬉しいですね。

清水:カルペディエム広尾さんでも、2024年度、2025年度にマンスリーテクニックを担当させていただきました。レスリングを学びたいけど、レスリングの練習に参加するにはハードルが高いというお話もよく伺いました。

ただ、トップアスリートが行っているスキルや動作は、誰に対してもいいものです。それは変らず提供しつつ、展開の方法については工夫していきたいと考えています。

――カルペディエム広尾でも、柔術家に向けたレスリング指導をされていましたし、現在のレスリングクラブでも柔術家がたくさん通っているので、そのあたりの経験やナレッジは蓄積されていますね。

清水:いま日本は世界で一番レスリングが強い国です。

技術的なことはもちろんですが、パフォーマンスの高め方や勝ち方についての経験やナレッジが蓄積されていることが、競技人口が少ない中でも勝てている要因だと思います。

スポーツ科学に基づいたトレーニングや、コンディショニング、発育発達に応じたトレーニングなどが柔術の育成年代に入ると、日本の柔術選手が国際大会で勝っていくことに繋がるような気がします。国際競技舞台では、技だけでは高いレベルに行けないので、そこをうまく使ってもらいたいですね。

Section image

――キッズの柔術家たちも、もっとレスリングを取り入れてほしいですね。

清水:キッズレスリングは、コロナで競技人口が大幅に減っているんですよね。

その一方で、短期的に「小学生で結果を出そう」という子も多く、今にフォーカスしすぎているみたいな状況もあります。

――わかる気がします。

清水:私たちは、小学生の年代では試合にバンバン出すということではなく、試合に毎週行っていたら練習もできないので、ちゃんとした動きがベースにあって、その中で自分が成長できて、目指すものを考えていく。

例えば、強い国って一つのクラブにキッズからトップ選手まで揃っていて、みんな上を見ているんです。

小学生だったら中学生のプログラムに参加したいとか、中学生なら高校生の練習を目指すとか。時間ごとに年代で区切られていて、そういう仕組みを作っていきたいですね。

Section image

――それなら柔術にも活かしやすいですね。では、女子選手はどうでしょうか?

清水:女子選手にも力を入れます。以前は育成年代のアジア選手権や世界選手権では優勝が当たり前だったのに、今は下の年代はインドなどにも負けています。

指導者が高年齢化していたり、なかなか続けられる環境がなかったり、小学生だと同じくらいの子がいるんですけど、みんな辞めちゃうんですよね。

私達は、会社設立当時から現役トップアスリートである中村未優を中心に「女性のスポーツ参加と継続競技」に繋がる活動を展開しています。女性がプログラムに参加しやすいよう空間もおしゃれになりますし、そこに力を入れてやっていきたいですね。

――では、最後に新拠点の展望というか、目標を教えてください。

清水:COMBAT LABELは、スポーツアイテムの販売を行う会社でもあります。ナイキのレスリングとかチアリーディング、ラクロス、ボクシングといった競技のディストリビューターをやっていて、全く違う競技としてチアリーディングのプロモーションもやっていきます。

――え、チアリーディングもですか?

清水:細かく話すと、レスリングやチアリーディング、バレーボール、ボクシングといった競技はナイキの本社から販売の権利を他の会社に移しているんですよね。

うちがその日本の販売代理店の立場を取っています。で、レスリングは、プロモーションから顧客に販売するまでの流れができているんですけど、TOKYO RTCを活用して、他の競技にも展開していきたいと考えてます。

チアリーディングは、TOKYO RTCにクラブを設立して、その普及などもやっていこうと思っていて、私が大学で教員をやっていたときのゼミ生が、そういう活動を頑張っていたこともあり、タイミングも良かった。

特にキッズはレスリングとチアリーディング、この2つに力を入れて、クラブとして一つのモデルを作っていきたいですね。

――今日はありがとうございました。

COMBAT LABEL TOKYO RTC 公式サイト

Section image

読者登録
前へ
JBJJF全日本4連覇のミレーナ・サクモト「全力を出し切って優勝できたので満足」
次へ
 サイトへ戻る
クッキーの使用
ブラウジングエクスペリエンス、セキュリティ、データ収集を向上させるためにクッキーを使用します。 同意すると、広告と分析のための クッキーの使用に同意したことになります。 クッキーの設定はいつでも変更できます。 詳しく見る
同意する
設定
すべて拒否する
クッキー設定
必要なクッキー
こちらのクッキーは、セキュリティ、ネットワーク管理、アクセシビリティなどのコア機能を有効にします。こちらのクッキーをオフにすることはできません。
アナリティクスクッキー
こちらのクッキーは、訪問者がサイトをどのように操作しているかをよりよく理解し、エラーを発見するのに役立ちます。
設定クッキー
こちらのクッキーにより、サイトは、拡張機能とパーソナライズを提供するために行った選択を記憶することができます。
保存