柔術は、もっとシンプルでいい。第3回「柔術のポジションの中にあるもの」 文=戸倉巌
柔術は、もっとシンプルでいい。第3回「柔術のポジションの中にあるもの」 文=戸倉巌

皆さん、こんにちは。
柔術愛好家の戸倉です。
連休のど真ん中に
道場にたくさん仲間がいると
ニヤけています。
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第2回で紹介した、
ベース
コネクション
ウェイトディストリビューション
今回は、
よく知っているポジションの中で、
それらがどう関係してくるのかを
書いてみようと思います。
サイドやマウント、
クローズドガード……といった、
基本的な形の中での話です。
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たとえば、サイドポジション。
以前は、
「しっかり抑え込まなきゃ」
と思っていました。
逃げられないように、
しかるべき場所をつかんだりして、
力で頑張ってコントロールする。
でも、それだと長く続きません。
自分も疲れちゃうし、
ちょっとしたきっかけで
逃げられてしまうことがあります。
*
そこで、まずベースを確認してみる。
自分が崩れていないかどうか。
それだけのことですが、
これが保たれていると
安定していられるようになります。
そのうえで、
コネクションを意識できると、
相手の動きがそのまま伝わってきます。
「あ、動こうとしてるな」
そんなことが、分かるようになる。
さらに、
ウェイトディストリビューションが
うまく効いていると、
体重が自然と相手に伝わっていきます。
力まかせで抑え込んではいないのに、
相手は動けないし、疲れていく。
そんな状態になります。
*
マウントでも、
同じようなことが起きます。
とても優位なポジションなのに、
不安定になってしまうことがあります。
相手の動きに対して、
無理に耐えようとすると、
逆に返されてしまう。
でも、
ベースが崩れず、
コネクションが継続していて、
ウェイトがうまく伝わっていると、
同じマウントでも、
まったく違う感触になります。
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こうしてやってみると、
ポジションそのものよりも、
その中で
自分がどうなっているかの方が、
大事なのかもしれないです。
どう土台を作れているのか。
どうつながっているのか。
どう体重を使っているのか。
見た目は同じでも、中身が違う。
そんな感じです。
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まだまだ、うまくできたり、
できなかったりの繰り返しです。
でも、
「あ、今ちょっとよかったかも」
と思える瞬間が、
少しずつ増えてきました。
次回は、
こうした感覚を
どうやって身につけていくのか、
練習の中で意識していることを
書いてみようと思います。
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書き手:戸倉 巌/1969年東京都出身。2009年5月、橋本欽也氏に誘われ、SMACK MMA STUDIO@MUSE(現MUSE柔術アカデミー)で柔術を始める。2010年9月、TRI-FORCE青山(現CARPE DIEM青山)に入会。2020年12月、石川祐樹氏より黒帯授与。2023年8月より石井拓氏に師事。2025年6月よりラテンス柔術のインストラクターとして時々活動。159㎝、60㎏。CARPE DIEM青山会員。
