
現地時間5月28日~31日にかけて、アメリカ・カリフォルニア州のLBSファイナンシャル・クレジット・ユニオン・ピラミッドでは、IBJJF「2026 WORLD」が開催された。
今年は、アダルト黒帯で嶋田裕太(フェザー級)やグスタボ・オガワ(ライトフェザー級)が表彰台に上がった一方で、日本柔術界を牽引してきた芝本幸司が、渡米直前にケガで出場をキャンセルする残念なニュースもあった。
大会が終わり、参戦した多くの日本人選手が帰国し、次なる戦い(アジア選手権)に備えているであろう中、今年も現地でWORLDを観てきたトライフォース柔術アカデミー代表・早川光由氏に話を聞くことができた。
Jiu Jitsu NERDでは、毎年恒例のインタビューシリーズになっている早川代表の“WORLD振り返り”は全3回に渡ってお届けしたい(第1回はコチラから)。
――次は同じ黒帯ルースター級の篠田選手です。結果は一回戦敗退でした。
早川:戦術的には、もったいないなっていう試合でしたよね。彼の得意技を仕掛けるタイミングと位置取りが良くなかったです。
――序盤バックを取り掛けたのに場外ブレイクになってしまいましたね。
早川:マトリックスから、もうほぼバックテイク出来ると思ってたんですが、ブレイクになってしまった。序盤に得意技を出してしまうと相手もかなり警戒してしまうので。
――かなり警戒されて固められてしまいました。あれが最初で最後のチャンスだったかもしれませんでしたね。
早川:はい、そこを打開できるほどの圧倒的な実力はまだ持ってなく、力及ばずですね。自分の持てる力を出す、出しどころですね。
――篠田選手の今後の課題は?
早川:彼に関しては、技術も伸びてますし、色んなトレーニングをして筋量も増えてるように感じますので基本このままで良いと思っています。強いていうなら、もう少し色々な国内大会などに出て、様々なシチュエーションを経験することが必要なのかなと思ってます。
――ルースター級だと減量が大変なのかもしれませんね。
早川:はい、それもあって大会を選んでいるようです。私も「それならライトフェザーで出たらどうだ」というタイプでもありませんので、今の取り組みで、本人も全然諦める気もないと思いますし、あと2~3年で競技者としてもピークはくると思いますので、サポートして行きたいですね。
――トライフォース以外の日本人選手の感想も頂きたいです。所属ではないですが、赤坂で練習してる竹浦遥希選手はどうでしたか?
早川:はい、トライフォース赤坂代表の伊藤俊亮の指導を受けて、今回はセコンドも付いてたので、ウォーミングアップブースまで行って声も掛けさせて頂きました。
――結果は1回戦アドバン差で敗退となりました。
早川:コンディションも良さそうでとても良い動きをしていました。相手は実績がある強豪だったということだったのですが、かなり接戦でしたし、やはり歴代の女子柔術家の中でも、もの凄く秀でたものを持ってる存在ですね。
――まだ年齢も若いですもんね。
早川:全然若いしまだまだ大化けする。ご本人も言ってるみたいなんですが、やはりずっと競技で戦ってると黒帯になっても、抜け落ちちゃってるベーシックの部分が沢山あって、それをトライフォース赤坂で学び直して、クラスがとても楽しいとのことなんです。
――そういった黒帯の方は多そうですね(笑)。
早川:ありがたいことにトライフォースでは、他流の黒帯の方でも感銘を受けてくれるというか、下地の部分を作り直す方はとても多いです。
――脱線してしまうのですが、早川先生は黒帯になって、ベーシックが抜けて落ちるという感覚はありましたか?
早川:僕は緻密に作り上げました。抜け落ちた部分はないという自負はあります。
――凄すぎますね。
早川:自分の下地を作るための柔術とは何なんだと常に自問自答していたと思います。グレイシー柔術の源流の部分から紐解いて、多分誰も興味がない、すっ飛ばしたい部分を誰よりも興味深く究めていく作業をしてました。
――当時は資料も少なかったはずです。
早川:はい。当時の最新のテクニックだけではなく、この部分こそが将来自分の核になっていくのではと思ってました。
――もちろん今はそれがとても役立ってると言えますが、競技者として、一つの必殺技に特化すれば良かったとか後悔はありますか?
早川:それはもう100%ないと断言できます。
――!!!
早川:何かに特化した勝てるだけの技術とかには一切興味はなかったし。それをやったところで勝てないタイプだったと思うし、色んなことが全部できる部分、それこそが僕のアイデンティティだし、自信を持って唯一の存在になれたかなとは思いますね。
――芝本選手を含めて、トライフォースの選手たちは弱点が少ないように感じます。
早川:弱点が少なくみんな地力がありますよ。
――すいません。脱線してしまいましたが、とても良い話を聞けました、ありがとうございます。
早川:はい(笑)。
[この項、続く]
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