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世界3位の嶋田裕太が語るムンジアル2026「準決勝にふさわしい柔術ができなかった」

ブラジリアン柔術の世界選手権「ムンジアル2026」でフェザー級3位入賞を果たした嶋田裕太(アリアンシ)。

前回のムンジアル表彰台から11年、アメリカ移住後も挑戦を続け、悲願だったムンジアルの黒帯でのメダルを獲得した。

しかし本人はその結果に満足していない。

準決勝での敗戦、フェザー級ならではの過酷なダメージ、そして世界の頂点との差――。

さらに今年10月には日本へ本帰国し、東京でマルセロ・ガルシア傘下のジム開設も計画している。

世界3位という結果の裏側と今後の展望について話を聞いた。

――まずはムンジアルで3位入賞を果たした今の率直な気持ちを聞かせてください。

嶋田:ここ数年の目標がムンジアルの表彰台に立つことだったので、準決勝で負けてしまった以上、素直には喜べません。ただ、ここまでやってきた自分のためにも、この結果は誇りに思おうと思っています。

また、前回の表彰台から11年が経ち、年齢を重ねるにつれて周囲の期待も薄れていく中で、それでも応援し続けてくれた日本の皆さんに、ようやく結果を届けることができました。本当に安心していますし、とても感謝しています。

――今大会を振り返って、最も印象に残っている試合はどの試合だったでしょうか?

嶋田:メダル獲得を決めた準々決勝です。

序盤は相手の猛攻を受けて後手に回りましたが、気持ちを切らさずに逆転勝ちすることができました。あの瞬間、遠くの客席から「シマダコール」が聞こえてきて、自分が勝ち残ったことを実感しました。

達成感のある試合でした。一方で準決勝も強く印象に残っています。普段の自分のコンディションとはかけ離れた状態で試合をしてしまい、悪い意味で記憶に残っています。あの華やかな舞台にふさわしい柔術ができなかったと思っています。

クォーターファイナルの相手はGFチームのイスマエル・サントス。先制されたビハインドの試合を終盤にパス&マウントで9-4の逆転勝ちして準決勝進出を決めている。

――この3位という結果について、自分ではどのように感じていますか?

嶋田:悔しいのは、2日目に本来のコンディションへ戻せなかったことです。これも実力のうちだと思います。

フェザー級で受けるダメージは、これまで戦ってきたライトフェザー級とは別物でした。一晩経ってもまったく回復できませんでした。

――今大会に向けて特に力を入れて取り組んできたことは何でしたか?

嶋田:これまでの挑戦と大きく違ったのは、初めてマルセロ・ガルシアの目の前で日々練習を積むことができた点です。

ここ数年はマルセロがセコンドについてくれていましたが、僕自身はニューヨークで練習していたため、試合会場で数か月ぶりに再会し、少し話して試合に臨むような関係でした。今回は日常的に指導を受けながら準備できたことが大きかったと思います。

――準決勝で対戦したサムエル・ナガイについて、実際に戦ってみてどのような印象を持ちましたか?

嶋田:準決勝進出が当たり前になっている選手なので、やはり2日目のコンディショニングには明確な差があったと感じました。もう一度、万全の状態で戦ってみたい相手です。また、試合前後に少し話をしましたが、とても礼儀正しく、気持ちの良い人でした。

――世界のトップ選手たちと戦う中で、自分の強みと改善点をどのように感じましたか。

嶋田:強みは、長年ライトフェザー級で磨いてきた細かい技術と、テイクダウンの能力だと思います。2回戦、3回戦の相手はまったく知らない選手でしたが、要所では技術に助けられました。

また、アメリカでは柔道の技が日本よりもかかりやすい印象があります。フェザー級は立ち技に積極的な選手も多く、自分のスタイルとも噛み合っています。改善点は数え切れませんが、今強く感じているのはフェザー級で戦ううえでの2日目への対応力です。

――大会3日目を終えて最終日に勝ち残った際、精神面やコンディション面で意識していたことはありますか。

嶋田:勝ち残りが決まった瞬間は本当に嬉しかったですが、すぐに初日と同じマインドへ切り替えました。

ただ、身体はまったく違う反応をしていました。興奮も疲労も抜けず、水抜きをしていないにもかかわらず全身が攣りそうな状態でした。疲れているのに心拍数は高いままで、夜も1時間ほどしか眠れませんでした。

――今回の試合をサポートしてくれたマルセロとポールに伝えたいことはありますか。

嶋田:ポールは、マルセロがハワイへ移住した後、ニューヨークに残った僕の技術レベルを大きく引き上げてくれた恩師です。特に僕のハーフガードは、上も下もポールから大きな影響を受けています。ニューヨークでの生活面でも本当に助けてもらいました。ポールがロサンゼルスへ移った際には、以前住んでいたアパートを譲ってもらったこともあります。

現在ショーヨーロールにサポートしてもらえているのも、ポールの推薦があったからです。普段はクールなポールが、自分の入賞を本当に喜んでくれたことが何より嬉しかったです。2015年にニューヨークで初めて会ってから今まで、先生として、そして友人として支え続けてくれています。感謝してもしきれません。ぜひ日本の皆さんにも、ロサンゼルスにあるポールのジムを訪れてほしいです。今回のムンジアル前、僕が練習のために唯一立ち寄った場所でもあります。

――マルセロについてはどうでしょうか。

嶋田:マルセロについては、とても一言では語りきれません。まず、ハワイへの移住を提案してくれたことが人生の大きな転機になりました。もしその提案がなければ、僕は今もニューヨークにいて、アメリカに移住したにもかかわらず、マルセロから直接柔術を学ぶ機会を十分に得られないまま帰国していたと思います。

マルセロが不在のニューヨークでも「いつも見られている」という意識で背筋を伸ばして生活してきました。多くの人がマルセロに僕のことを進言し、ハワイへ呼んでくれたと聞いています。僕を信じてくれたことに感謝していますし、これからもジムをより良くするために全力を尽くしたいと思います。

今大会のセコンドはマルセロ・ガルシアとポール・シュライナー。マルセロはハワイから、ポールはロサンゼルスから嶋田の元へ駆けつけている。

――このムンジアルで得た経験を、今後どのように活かしていきたいですか。

嶋田:自分の活動の幅を広げ、競技を続けていくためにも、この経験を活かさない手はありません。また、自分を頼ってくれる人たちには積極的に共有したいと思っています。お互いに刺激し合いながら成長していければと思います。

――次の目標を教えてください。また来年のムンジアルに向けてどのような挑戦をしていきますか。

嶋田:長年目標にしていたムンジアルの表彰台に立つことができたので、次の目標についてはこれから考えたいと思っています。

ただ、今年10月末に日本へ本帰国する予定です。そして東京で、マルセロ・ガルシアの傘下として自分のジムをオープンしたいと考えています。僕の柔術を学びたい方、試合で勝ちたい方がいれば全力でサポートします。国際的に活躍できる強いチーム、そして良いチームを作りたいです。大変だとは思いますが、その覚悟はできています。

10月に完全帰国し自身のジムオープンを控える嶋田。嶋田の柔術人生の新章の始まりだ。

ポール・シュライナーのジム「Frogtown Jiu-Jitsu」
1803 Blake Ave, Los Angeles, CA 90039 アメリカ合衆国