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前澤智コラム「前”さわ”智です」第13回『ADCCアジア予選』

久しぶりに、人生の目標を定めた前澤でした。

スケジュール帳の1/4(日)は『ADCC、120ドル早期〆切』と記してあり、ウェイトの先生に身体作りがしたいといったLINEのメッセージを2024年8/19(月)に送信していました。

どうしても一人では行けないと思い、周りにヘルプ。賛同した6人の女性会員さんが、アベンジャーズのごとく集結してくれました。

結論から言うと最高の環境で主婦旅がクセになりそう。

ご飯を作ってもらい、洗濯もしていただき、移動では運転もしていただきました。

宿泊先のホテルは広く寝る前に打ち込み、試合前は十分なストレッチができました。

海外に遠征によく行かれる日本人選手の皆さんは、毎回これをやっているのか。

海外に行き慣れていない私にはハードルが高い。

夜、日本にいるお子さんにテレビ電話していたブラック・ウィドウさんを見て、お母さんという生き物は常に自分以外の存在を考えて動く人、自分の持てるものを分ける前提で生きている人なんだと再認識しました。

今回、クラスやパーソナルに通ってくださっている、職業も年齢も家族構成も違う女性が、専属カメラマンになってくれ、荷物を持ってくれ、通訳をしてくれ、怪我をした私の着替えまで(笑)してくれました。

特に自分の試合もある中、仕事をしつつ、子育てもある中、飛行機や宿の手配、予約やメンバーへの連絡。

その上いつも練習に付き合ってくれたアイアンマンかりんちゃんには感謝しかありません。

「かっこいいところ見せたかったな。」その一言です。

みんな褒めてくれたけど、もっとあの時間を味わいたかったです。

少しの判断ミスが命取りでした。

日本でのADCCオープンに出場した際、ルールを活用しようとせず攻め疲れ、どんどんスピードもパワーも落ちていき、後半失点しまくる。

あの頃は何も装備せずに戦地に赴く愚か者でした。

KITで延長戦の末負けた時「技が雑すぎるよね」と言われ、動きに頼り過ぎていると感じ、ロジックを技に落とし込んで扱えるようになりたいと考えるようになりました。

このように様々な失敗を経て、そのたびに修正点を探し、試してはタップし、また改善できる術を調べて、聞いて、試して。

できないことがある度に泣きました。身になるまですぐのものもあれば、全然馴染まないものありました。

それでも考えること、工夫することはやめなかったのが今回1番成長できた部分です。

でも今回はあの頃の愚かな自分がもう少しでしゃばってくれたら良かったのにと思います。

身体の反応を信じて、思考をシャットダウンして、感じるまま動いてスクランブルを生み出す。

ハルクのような自分が、自分の良さだったはず。

ただ、試行錯誤を繰り返して作った今の自分は、過去の自分より好きです。

引退した時は、格闘技を憎んでいました。

こんなに頑張っても将来が約束されるわけでもない、あるSNSでは花がないチャンピオンだったと評価されました。

試合動画のコメント欄を見れば技術の評価よりも「どっちが可愛いか」、実際に「お前の試合はじゃんけん大会くらいの盛り上がりレベル、お遊戯会」だと言われたこともあるし、確定申告では「楽な仕事だね」と。

結果が出てほんの数日認めてもらえて、すぐに引き摺り下ろされる現実と対峙。

首のヘルニアで毎朝起きることもしんどい。トロフィーをゴミだと言われたことも、代わりはいくらでもいると言われたことも。

自分が生きている意味が見つかりませんでした。

試合結果は2回戦敗退で、世界で闘うにはまだまだ実力不足だとわかりました。

ただ本当に楽しかった。

初めて自分という人間のハンドルを自分で握って、ゴールまで走れた気持ちです。

結果が出てないのに楽しいって言ったらダメなんでしょうけど、感じたままを書きます。
やってもやっても、もしこうだったら、と考えてしまう。

今回の結果が今できる全力だった、いや、でもああしていたら、こうしていたら。どう自分に言い聞かせても、慰めにならない。

自分が何か、目標やゴールを定めた時は、あえて周りにも言いふらすようにしています。
退路を断てるし、口に出す度に決意と責任が固くなっていくような気がします。

正直、今はまだ口に出せるほどの決意もない。

でも今日もまた打ち込みするし、ウェイトにも通います。

この先どんなゴールを思い描いてもすぐ走り出せる自分でいられるように。