
2年ぶりの出場となるムンジアルを控えた大野智輝(ARTA HIROO)。
IBJJFパン選手権ではあと一歩で入賞を逃したものの、世界トップ勢との差を肌で感じ、その経験を糧にさらなる強化を重ねてきた。
トップからのプレッシャーパス、ボトムからのバックテイク──細部まで磨き上げた攻防を武器に、世界最高峰の舞台へ挑む。
茶帯屈指の激戦区で「トップレベルの選手たちと張り合える自信がある」と語る大野に、現在の手応えとムンジアルへの思いを聞いた。

──ムンジアルの試合が目前に迫っています。今の率直な気持ちを聞かせてください。
大野:今回のムンジアルにはかなり自信があります。IBJJFパン選手権ではベスト16で負けてしまいましたが、自分に勝った相手が3位に入賞していて、入賞レベルの選手たちとも実力は拮抗していると感じています。その中で、そういった選手たちに勝ち切るためのテクニックや攻防を重点的に強化してきました。あとはそれをしっかり出し切って勝ちたいです。去年はムンジアルに出場していないので、2年ぶりにあの舞台で戦い、自分がどれだけ世界で通用するのかを確かめられるのが楽しみです。
──今回のムンジアルに向けて、特に強化してきたポイントはありますか?
大野:大きく2つあります。ひとつはトップからプレッシャーをかけて相手の脚を殺しながらパスを仕切る部分。もうひとつは、ボトムからバックテイクを狙いつつスイープでポイントを取りにいく部分です。トップに関しては、レベルが上がると単純なアウトサイドパスだけではパスを取り切れないと感じました。なので、アウトサイドパスからトライポッドパスや噛みつきパスにつなげて、相手の足腰や体力を削りながら崩していく形を重点的に強化しました。ボトムでは、ベースの強い相手に対してスイープだけで崩し切るのは難しいので、まずバックを狙う意識を持っています。バックを取り切れれば理想ですし、相手がバックディフェンスで尻をマットにつけたり寝てきたところで立ち上がって、スイープポイントにつなげる動きを集中的に練習してきました。
──ここまでの大会戦績を振り返って、手応えを感じている部分はありますか?
大野:直近の大きな大会はIBJJFパン選手権だけですが、海外で実績のある選手にもあと一歩まで迫れたので、かなり手応えは感じています。去年に出場した国内大会でも、新しく試したテクニックや戦術がうまくハマることが多かったので、自分自身の成長はかなり実感しています。
──海外のトップ選手たちと戦う中で、日本の大会との違いはどこに感じていますか?
大野:やっぱり圧倒的に“アウェイ感”が違います。海外大会なので当然ではあるんですが、有名ジムや有名選手が相手だと、セコンドやギャラリーの数が全然違います。その中で、審判へのアピールや会場の雰囲気によって、流れが相手寄りになることも少なくありません。だからこそ、ポイントやサブミッションでしっかり勝ち切らないといけないと思っています。
あと、日本だと自分が主導権を握って試合を進められることが多いですが、海外だと実力差がかなり小さいので、一つひとつの攻防の重要性をより強く感じています。
──同階級で特に意識している選手や、対戦したい相手はいますか?
大野:まずはIBJJFパン選手権で負けたルアン・マルティニアーノです。レスリングとトップゲームがすごく強い選手ですが、対策も考えて練習してきたので、次は勝てると思っています。あとはジョアオ・ヴィトーとフェリッペ・ゴウラートですね。この2人はトーナメントの中でも頭ひとつ抜けている印象があるので、対戦した時にどういう試合展開に持っていくかをしっかり考えています。

大野が意識しているというルアン・マルティニアーノはグレイシーバッハの選手でIBJJFの大会で数多くの実績を残している。
──あなたにとってムンジアルとは、どんな意味を持つ大会ですか?
大野:自分の実力がどこまで世界に通用するのかを証明する場所だと思っています。まだ大学生なので、頻繁に海外遠征へ行ける環境ではありません。その中で、世界中のトップ選手が集まるムンジアルは、自分が今どの位置にいるのか、今まで積み重ねてきた練習や取り組みがどこまで正しかったのかをハッキリ確認できる大会だと思っています。
世界で結果を残していくためには、ムンジアルで結果を出すこと、そして優勝することが、国内だけでなく世界から認められるために必要だと感じています。同時に、世界へのチャレンジャーとして、一番試合を楽しめる場所でもあります。
──試合前に必ずやるルーティンなどはありますか?
大野:特別なルーティンはないんですが、一番好きな食べ物のラーメンは体に良くないので、試合1週間前からは控えるようにしています(笑)。試合前は、その時の気分で音楽を聴いたり、座ってリラックスしたりしています。
──今回の遠征で、試合以外に楽しみにしていることはありますか?
大野:2年ぶりのロサンゼルスなので、ビーチや観光には行きたいですね。ただ、キッズの頃からロサンゼルスには5~6回行っているので、正直そこまで“初めて行きたい場所”はないんですが(笑)、アメリカのハンバーガー、特に『FIVE GUYS』と『In-N-Out Burger』はめちゃくちゃ食べたいです。
──もし表彰台に上がったら、最初に誰へ感謝を伝えたいですか?
大野:普段、広尾と三田で一緒に練習してくれているチームメイトのみんなや、練習環境を作ってくれている運営陣の方々、そして海外遠征を支えてくれている親には本当に感謝しています。
その中でも、一番感謝しているのは橋本(知之)さんです。キッズの頃から10年以上ずっと自分の柔術を見てくれていて、今でも一緒に練習したり、新しい技術や情報、アドバイスをくれています。自分の柔術スタイルや基盤は、橋本さんのおかげで作られた部分がすごく大きいですし、これまでの実績も橋本さんの存在があってこそだと思っています。
──最後に、ムンジアルを楽しみにしているファンや応援してくれている人たちへメッセージをお願いします。
大野:今回のムンジアルは、色帯の中でも最もレベルが高いと言われる茶帯カテゴリーでの挑戦になります。
でも、今の自分には、トーナメントトップレベルの選手たちとも十分に張り合える自信があります。ぜひ期待して、リアルタイムで応援してもらえたら嬉しいです。応援よろしくお願いします!


IBJJFムンジアル2026
日程:5/28-31
会場:LBSファイナンシャル・クレジットユニオン・ピラミッド(ロサンゼルス・ロングビーチ)
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