
皆さん、こんにちは。
柔術愛好家の戸倉です。
このコラムを読んでます、と
時々言われて、恥ずかしいと同時に
ニヤけてます。
*
前回は、
シンプルな柔術に必要な感覚を
どう養っていくかについて書きました。
今回は、実際のロールの中で、
その感覚をどう活かしていくのか、
という話です。
*
これまでの私は、
ロール(スパーリング)になると
「勝とう」「負けまい」となっていました。
技をかけにいく。
ポジションを取りにいく。
なんとかして上回ろうとする。
やや強引でも極めにいく。
パスされる。
あわてて戻そうとする。
絞められかけてもまだ……
それだと、体力的にも精神的にも
まいってしまうことがあります。
*
今は、少し変わってきました。
無理に何かをしようとするより、
相手の動きをよく観察して、感じて、
流れに身を任せる。
相手が動けば、それに合わせて動く。
対抗するより、つながり続ける。
水が高いところから低いところへ
自然と流れていくように動き続ける、
そんなイメージです。
*
コネクションがあれば、
その感覚をとおして
相手の動きが伝わってきます。
「こっちに来るな」
「ここで力が入ったな」
そんなことに気づくようになる。
それに対して、
少しだけ位置を変えたり、
ウェイトの配分を調整したりする。
大きな動きではなく、
小さな調整です。
*
意識することは、
ロールの中でも同じなんです。
ベースがあるか。
つながっているか。
体重が伝わっているか。
それを確かめ続けています。
上でも、下でも。
*
勝ったか負けたかよりも、
うまくいったか、失敗しちゃったか、
それだけです。
たとえ一本取られたとしても、
そこまでの過程で、
相手を手こずらせることができたら、
それで十分です。
どれだけ相手とつながれていたか。
どれだけ無理なく動けていたか。
そういうところを見るようになってから、
ロールの意味が少し変わってきました。
てごわい相手と対峙するときも、
物おじすることがなくなり、
精神面でもだいぶ楽にいられるように
なってきました。
*
まだまだですが、
こういう感覚でいられる時間が増えきて、
柔術がさらに面白くなってきました。
次回は、
ここまで書いてきたことのまとめとして、
「柔術は長く続けるもの」
そんなテーマで書いてみようと思います。
書き手:戸倉 巌/1969年東京都出身。2009年5月、橋本欽也氏に誘われ、SMACK MMA STUDIO@MUSE(現MUSE柔術アカデミー)で柔術を始める。2010年9月、TRI-FORCE青山(現CARPE DIEM青山)に入会。2020年12月、石川祐樹氏より黒帯授与。2023年8月より石井拓氏に師事。2025年6月よりラテンス柔術のインストラクターとして時々活動。159㎝、60㎏。CARPE DIEM青山会員。戸倉 巌 Instagram ラテンス柔術 Instagram