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【メディアディレクターコラム】第31回「ムンジアル総括」

今年の上半期最大の山場ともいえるムンジアルが終了した。

今大会は30周年のアニバーサリー大会でもあり、1996年の第1回大会の優勝者たちを招いたセレモニーが行われるなど、イベントとしてもこれまで以上にスケールアップした印象を受けた。

しかし、日本勢はジュブナイル青帯でこそ複数のメダリストを輩出したものの、それ以外のカテゴリーでは厳しい結果に終わった。

日本から出場した選手は総勢50人ほど。その大半が1~2回戦で敗退し、2勝以上を挙げたのはほんの数人のみに限られていた。

この結果を見ると、ムンジアルで勝利を重ねることがいかに難しいかがよく分かる。

とはいえ、この状況は今に始まったことではない。ここ数年、日本勢は同様の苦戦を強いられている。

そんな中で唯一の光明と言えるのが、今大会で黒帯メダリストとなったグスタボ・オガワと嶋田裕太、そしてムンジアル以外にもヨーロピアン、パン、ブラジレイロでメダルを獲得している石黒翔也らが日本を拠点に活動していることだ。

グスタボは世界トップチームの一つであるAOJで色帯時代を過ごし、ムンジアルのメダリストたちが日々どのような練習を行い、どのような姿勢で競技に向き合っているのかを身近で見てきた。

嶋田もまた、ニューヨークでレジェンドであるマルセロ・ガルシアのもと研鑽を積み、悲願だった黒帯でのムンジアルのメダル獲得を果たして日本へ完全帰国する。

さらに今大会ではメダル獲得こそならなかった石黒翔也も、ムンジアル前に元ムンジアル王者のアイザック・ドーダラインのもとで短期集中キャンプを行い、本番に臨んでいた。

こうした世界トップレベルの環境を実際に経験してきた3人が、その経験や知見を日本の選手たちに伝えていくことができれば、日本柔術界が現在の苦境を脱するきっかけになるのではないだろうか。

日本はアジア諸国の中でも比較的早い段階で柔術シーンが形成され、さらにIBJJF直系連盟であるJBJJFが機能していることで、IBJJFアジアをはじめとするIBJJF主催大会が国内で継続的に開催されている。

日本にいながらIBJJF主催大会へ出場できる環境は、多くの国々から見れば恵まれたものと言えるだろう。

しかし、そのアドバンテージも絶対的なものではなくなりつつある。

実際、IBJJF主催大会が開催されていない韓国やUAE、カザフスタンなどの躍進ぶりを見ると、従来の優位性は薄れつつあることを実感させられる。

この長く続く苦境を打破するために必要なものは何か。

それは世界を知ること、そして世界基準を肌で感じることに他ならない。

ムンジアル30周年大会を終えた今、日本柔術界は改めてその現実と向き合う時期に来ているのかもしれない。